これから社会福祉士の資格を取得して福祉の仕事を目指す学生たちへ。

数ある資格の中から、社会福祉士を取得しようと頑張っている学生の皆さんへ。
社会福祉士を目指そうと思ったきっかけは何ですか?

  • 困っている人のために力になりたい!
  • あの人の笑顔が見たい!
  • 人に優しい人になりたい!

・・・などなど、きっかけは人それぞれだと思います。
これから社会福祉士として頑張ろう!という皆さんが、社会福祉士の仕事を具体的にイメージできれば幸いです。

社会福祉士とは

社会福祉士は、「社会福祉士及び介護福祉士法」で、次のように位置づけられられています。
社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者その他の関係者との連絡及び調整、その他の援助を行うことを業とする者をいう。』
つまり、障害がある方などが、「生活しづらい!」などの相談があったとき、アドバイスしたり、他機関につなげたりする仕事(相談援助)です。
も~っと簡単に言えば、相手の話を聞いて、あなたはこちらに進んでみてはどうでしょうか?と道案内する人です。
そのため、他(多)機関と連携を密に行うことが非常に大切です。

社会福祉士の役割

社会福祉士の役割は、大きくとらえると相談援助ですが、所属する場所によって多少異なります。
大きく分けて、4つの分野があります。

  • 地域
  • 施設
  • 病院
  • 学校

地域

所属:自治体、社会福祉協議会など

自治体

自治体では、障害・児童・高齢者福祉や、生活保護、民生委員児童委員との関わりなど、子どもから大人まで全世代と関わることになります。
自治体によっては、一般事務職とは別に、福祉枠という、福祉に関する部署のみ異動する地域もあります。
福祉に関する相談は、行政機関の中でも特に専門的なスキルが必要とされており、人員配置にも配慮されています。
衣・食・住に直接かかわる場合が多いため、今後も福祉枠は残り続けると思います。

社会福祉協議会(社協)

社会福祉協議会は、社会福祉法で定められている社会福祉法人です。
地域福祉の推進を目的に全国の市区町村に配置されており、地域に合った福祉活動を、住民と一緒に考え、取り組む団体です。
災害が起きたときは、ボランティアセンターを立ち上げ、ボランティアの受入調整を行います。
コロナ禍では、職を失った方の貸付など、生活に直結するような事業に取り組んでいます。
あまり認知されていないかもしれませんが、様々な事業を実施している、地域の要です。
「ふくし」のあいうえお作文で、
ふ・・・ふだんの
く・・・くらしの
し・・・しあわせ
を実現することを、全国の社会福祉協議会が統一して持っている理念としています。
詳しくは、社会福祉協議会のページをご覧ください。
自治体や社会福祉協議会で働く社会福祉士は、地域福祉を主として取り組んでいます。
地域福祉とは、住民が主体的に活動して、その地域を住みやすく、その人らしく生活できるようにしていく理念です。
1つ1つのケースから、地域に必要な支援は何かを考えていく、草の根的な活動です。

施設

所属:障害福祉施設、高齢者施設、乳児院など

障害者施設

障害のある方は、専任の相談員がつくことが多いです。
施設だと、施設内に相談員を配置し、計画相談という、障害のある方がその人らしく生活できるように、体調や年齢などを考慮し、福祉サービスを一緒に決めていく役割を担っています。
相談業務は、施設内で完結しない場合が多く、やはり他機関との連携は必須です。就労につなげたり、フリースペースという、地域で気軽に出入りできる交流の場を活用したりして、その人らしい生活のあり方を見出していきます。

高齢者施設

高齢者施設は、主に介護福祉士ケアマネジャーといった、介護の資格を持っている方が主として仕事をしています。
社会福祉士の役割は、その人が地域と関わるにはどんな方法があるか、主体性をもって何かに取り組むことはないか、などといった、自尊心を養うために配置されることがあります。

乳児院

乳児院は、赤ちゃんの保護や養育を、何らかの理由で親ができないときにお世話を手伝う施設です。
保護者や里親を支援し、お父さん、お母さんと一緒に生活できるように支援します。
社会福祉士は、地域の子育て支援団体との連携や、里親との連絡調整、両親への相談支援などを行います。
詳しくは、乳児院のしごとをご覧ください。

施設の社会福祉士は、個別支援を中心に行います。

病院

所属:病院、クリニック、診療所など
病院の社会福祉士は、医療ソーシャルワーカー(MSW:Medical Social Worker)と呼ばれています。
患者の退院支援や、医師・看護師との連携を行います。
医療ソーシャルワーカーの需要は年々増加傾向です。
というのも、高齢化社会になり、医療が必要な高齢者の入退院が非常に増えていることが主な要因となっています。
病床には限りがあり、誰しもが長期入院できるわけではありません。
病院には、事故や発作など、突然の事象に対応する急性期、急性期から転院し、リハビリなどを行う回復期などがあります。
急性期は退院・転院支援が主となり、回復期では退院支援や、地域とのつながりづくりなどの支援を主としています。
医療ソーシャルワーカーについて詳しく知りたい方は、こちらからどうぞ。

学校

所属:保育事業所(保育園や子育て支援拠点など)、小学校~高校など
保育事業所の社会福祉士は、ファミリーソーシャルワーカー、学校の社会福祉士は、スクールソーシャルワーカーと呼ばれています。
他の子より少し特徴のある児童・生徒に寄り添った相談支援や、学校内外での居場所づくり支援、教師と生徒の間に入ってお互いを理解するなど、学校生活だけでなく自宅
など学校外でも活躍します。
高校などでは、性被害や薬物など、回避すべき事項にも対応することがあります。

その他、罪を犯してしまった人の更生・出所後の生活支援などを行っている社会福祉士もいます。

福祉の仕事で大切なこと

福祉の仕事で大切なことは、次の4つです。

  • 相手の気持ちを理解する
  • 信頼を得る
  • 連携機関と密に連絡をとる
  • 相手と相手の住む地域の情報を良く知る

相手の気持ちを理解する

福祉の仕事は、受容という言葉を大切にしています。
受容は、読んで字のごとく、受け容れる。相手のありのままを受け止めることです。
これが、簡単なようで難しい。
自分としては、「こうしたほうが良くなる」「なんでそんな考えをするんだ」という意識が現れることが多いです。
しかし、この意識はあくまで自分のもので、相手のものではありません。
自己中心的に自分の考えを相手に押し付けても、良い方向に進むことはほとんどありません。
言いたいことがあったとしても、まずは相手の話を受け止め、深く掘り下げ、歩み寄ることが重要です。

信頼を得る

相手に信頼されないと、何を言っても通用しません。
1人1人に時間をたっぷり使いたいところですが、関わることができる時間はそこまでありません。
そのため、短時間でしっかりと信頼関係を築くことが求められます。
信頼関係を築くには、相手の話をいっぱい聞いて、相手が求めていること、やりたいこと、楽しいことなどを引き出し、それらを実現できるように協力するような働きかけをすると良いです。

連携機関と密に連絡をとる

社会福祉士が一人で相手が抱える課題を解決できるかというと、ほとんどできません。
医師のように治療ができるわけではないし、お金をあげられるわけでもありません。
人間の生活が、ひとりの人のおかげですべて解決することって、99%ないですよね。
だからこそ、他機関とのつながりが社会福祉士の強みでもあります。
多くの情報を整理し、その人に合ったメニューを提案する。
リサーチ力は非常に重要です。
また、人によって、生活の変化の頻度はさまざまです。
ひとりで抱えず、多職種と情報共有することで、いつ何が起きても対応できるように備える視点が大切です。
もちろん、プライバシーがあるので、情報を共有する際は本人に確認が必要です。

相手と相手の住む地域の情報を良く知る

相手の情報は、相手や他機関から入ってきます。
これらの情報を整理し、相手に必要な社会資源の有無を調べます。
地域には、さまざまな活動をしている団体、ボランティアがいます。
地域の資源を知っているかどうかで、相手の生活は良くも悪くもなります。
相手だけではなく、地域の方ともつながりを作っておくと、助けてくれることが多いです。

終わりに

ここまで読んでくださった方は、「結構難しいかも・・・」と思われるかもしれません。
でも、他人の生活をすぐ近くで支援できる仕事は、決して多くありません。
とてもやりがいをもって働くことができますし、今後時代が流れてもAI技術で補えるとは思えないような、人による人のための支援だと感じます。
社会が大きく変化する中、社会福祉士の需要は増し、地域や家族の課題は複合的になり、すぐに解決できないケースが増えています。
どんな障害があっても、困難があっても、地域で安心して生活できる、そんな社会の実現を目指して、社会福祉士は日々奮闘しています。
ぜひ、みんなで地域を盛り上げていきましょう。
今日が一番若い日。

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